ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
 

         Ж

『敬太―! そんな顔してんなって。その心配性は誰譲りだ?』

『多分、母親』

『だと思った。……じゃ、そんなお前にこんな話があるよ』


……とある町に、小さな木材加工工場がありました。
このご時世で経営も赤字続き、従業員たちはいつリストラに遭うかと怯えていた。
そんなとき、長年勤めていた安形(あぎょう)さんが機械にはさまれ、亡くなってしまいます。
証言によると、
「彼は作業後に自ら機械に身を投じた」
とか、その他にも、
「社長がリストラを勧告したショックで……」
など、”自殺”の線が濃いものばかり。
しかし、検死の結果とツジツマが合いません。
死亡推定時刻が、作業後よりもはるかに前なのです。
そこで、警察はある仮説を立てました。
【経営危機に直面している工場→事故→操業停止→倒産】
それを阻止するために従業員が一丸となり、真実を隠していると……。
だが、誰も口を割りません。証拠も出てきません。
結局、この事故は”自殺”として処理されました。


『さて、ここで問題です。この話は実際に起こった出来事でしょうか?』

『ん~……』

『よーく考えろ! 話の中に答えがある』

『えぇーと……まぁ、ありそうな話だよな。事故だと誰も得をしないわけだし』

『じゃ、答えは”実際に起こった出来事”でいいんだな?』

『あ、あぁ』

『正解は……ブー!』

『えっ、ただの作り話!?』

『That's right! ”安形さん作業後”、つまり、”あぎょうさん、さぎょうご”。”ア行3、サ行5”。だ・か・ら……ウ・ソ!』

そこで……彼はニヤッと笑った。

『フッ……な~んだ!』

『俺がなにを言いたいかわかるか?』

『えっ?』

『伊達磨理子の名前に”達磨”が入ってるのも、”3”が関わってるのはダルマ”さん”だからとか、所々に作り手のギャグ的悪意が盛りこまれてる。……だから心配するな、あんなの呪いじゃない。ただのイタズラだって!』

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