ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



「となり同士の個室ですと、ただいまの空きは、フラットシートのペアブースのみとなっております」

俺たちが向かった先は、すぐ近くの高層ビルにあるインターネットカフェだった。

「佑美は俺と一緒でいいな?」

「えぇヤダ! 由香里と一緒に入る」

男は俺だけ。

今夜の鬼は佑美だ。守りたいという俺の心意気は、あっけなく拒否された。

さらに、

「敬太は沙奈を守りなさい!」

と、逆に粋な計らい。

そう、彼女だけは知っている。

俺が片想いの相談を唯一していた人、それが佑美だ。

……こんなときに、妙な気遣いしやがって。

だが、理屈とは裏腹、気持ちが高揚する。

結局、俺は沙奈と、佑美は由香里と、となり同士のペアブースに入った。

ほぼ密室のせまい空間。

「…………」

「…………」

こんな状況は想像もしていなかった。

ふたりっきりのドギマギ感がいまだに拭えていない。

……って、ほらやっぱり。

せまい個室にも関わらず、この十分すぎる距離。

早速、沙奈は俺に背を向け……。

「ん?」

見ると、彼女はスライド式扉の下部分、たった数十センチの隙間を嫌って、ブランケットを暖簾のように掛けている。

「できた!」

さらなる閉鎖的空間へのアップデートに、さらに緊張が増す。

これならなにをしても、のぞきこまない限り見えない。

……なにをしても?

邪な気持ちは、自分が男だという証明。

「これ、敬太の」

「俺はいいよ。沙奈が使いなよ!」

「私のはこれで使ったからいいの」

と、俺―沙奈間で2往復するブランケット。

「ありがとう……」

最後は慎ましくお礼を言う沙奈のもとにおさまった。

俺は目の前のPCを立ちあげ、モニターを見つめる。

まず、検索キーワードに”伊達磨理子”と打ちこんだ。



 
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