ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
ポツリとつぶやいただけの言葉に、俺たちはやっと言葉を発した。
当然、宮内は面食らったような顔をする。
「由香里と連絡が!?」
「ぁ、ああ」
……アイツ、どういうつもりだ!?
「と、とにかく! なにか変なことに巻き込まれているなら、俺に相談しろ。今は大事な時期なんだ、お前たちもわかってるだろ?」
「「…………」」
3人で応接室を出ると、他の教師たちが揃いもそろって視線を向けた。
「…………」
――♪プルルルルッ♪
電話の呼び出し音だけが辺りに響く。
たった一瞬で、俺たちの置かれている状況が把握できた。
それは廊下でも同じ。
皆が俺たちの歩く先を空けるように避け、ヒソヒソと言葉を交わす。
しかし、教室の中だけは、ちがった。
「冴木さんって、ホントに自殺なの?」
「お前ら、なんかヤバイところと絡みがあるんじゃねえの!?」
「もしかして遠野も?」
興味本位の質問が矢継ぎ早に飛ぶ。
変わらず、沈黙で返すと、勝手な推測にまで及ぶ。
「もうやめ゛てぇーー!!」
「…………」
限界に達した沙奈は、耳を塞いでうずくまった。
その様子に、たじろぐ生徒たち。
俺は、日ごとに仲間を失う絶望の中でも、自分のするべきことを見定めていた。
ここで想いが揺れていたら、それこそ佑美に顔向けできないから。
……俺が、俺が守らなきゃ。
「沙奈、行こう!」
彼女の腕を引きあげる。
「敬太……」
それからは、なにも話していない。だが、繋ぐ手も離さず廊下を切り裂くように走った。
俺はひとりで泣いた駅の階段で、何度も佑美に謝ったんだ。
守れなかったこと。想いに気付けなかったこと。
そして……。
やっぱり、沙奈を愛していること。
……俺が必ず呪いを断ち切る!
この思いも、日増しに強くなっていく。