ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



誰もいない家に沙奈と一緒に帰り、部屋のドアを閉めると、お互い急にソワソワしはじめた。

ひとたび冷静になると、この状況が気恥ずかしい。

「…………」

ベッドの端にちょこんと座ったまま動かない沙奈。その瞼は重そうだ。

「寝たらいいよ」

「ぇ、でも……敬太は?」

「俺は、なにか手掛かりを探すから」

ほとんど寝ていないはずなのに、なぜか全然眠くなかった。多分、気持ちがずっと落ち着かないからだろう。

「それなら、私も手伝う」

「ありがとう。でも、眠たいときに寝ておきな」

この鼓動の高鳴りを聞かれてしまうのなら、正直その方がありがたい。

「……うん。そうだよね……」

「ずっと、そばにいるから安心して」

うれしそうに微笑んで、布団に包まれる沙奈。

その髪を撫でる。

ひとときの安らぎを感じると同時に、焦燥を感じた。

……俺はこの子を、そして由香里を、本当に助けられるのか?

怖くて、不安で……、しょうがない。

だが、終局の糸口は突然訪れた。

―――♪ピンポ~ン♪

インターホンの音が響く。

……誰だ? 

―――♪ピンポ~ン♪

再び鳴り、沙奈を起こさぬよう爪先立ちで玄関へと向かう。

「……はい」

「どうも!」

そこにいたのは、昨日と同じ格好をした浦野と今川だった。

「ぁ……」

今になってやっと思い出した。

「電話、待ってたんだよ?」

浦野の表情は残念そうだ。

「すみません……あのときは、それどころじゃなくて」

俺は軽く頭をさげる。

「そうだよね。だと思う……担任の先生もすごく心配していたよ」

このひと言で、ふたりはすでに佑美のことを知っているのだと読み取れた。

「大事な話があってね。あがってもいいかい?」

「ええ」


 
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