ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
俺は、それを聞いてくやしさが募った。
伊達磨理子。
彼女の人生は、あまりにも……あまりにも哀しすぎた。
世を呪い、人を憎む。その理由は、十分すぎるほどにあったのだ……。
俺が見たあの目、その姿。
今は、おぞましいと言葉を失った自分を呪う。
「この話はここで終わらないんだ」
手帳のメモを再びめくる浦野。
奇しくも犯人である夫の逮捕を妨害していたのは、他でもない警察だったらしい。
のちに、その理由があきらかになった。
なんと、伊達敏也と某署の一部の刑事が太いパイプで繋がっていたのだ。
押収した覚醒剤・大麻等を横領し、敏也がそれを転売していた、という事実が発覚。
さらに、敏也はもうひとつの商売を展開していた。
それは磨理子を使った”性ビジネス”だ。
狂った性癖の持ち主を捕まえては、連日連夜、数万円でいかがわしい行為に及ばせた。
「ひどい……」
俺の口からついて出る本心。
「あぁ。客の中に、警察の者も多数いたらしい」
「えっ!?」
耳を疑う。
「知っていたんだよ、彼女の存在を。だが、黙認していた」
「そんな……」
語られた真実は、俺の想像をはるかに超えていた。
「逮捕されたとき、敏也は『顧客リストを持っている』と警察を脅した。某署の刑事数名をはじめ、警察幹部・政治家・芸能関係、様々な大物の名が刻まれている顧客リストを。もちろん作った目的は、少しでも刑を軽くするためだろう」
そこで浦野は手帳を閉じる。
「が、そこまで話した所で……敏也は殺された」