Only my prince
「悪い。でもほら、お前帰りそうだったから呼び止めたくて」




「もう。転けたら恥ずかしいよ。ノートだっけ?ちょっと待ってね」




肩から下げてたカバンを下ろした瞬間、カバンを奪われて手を掴まれた。





「悪いけどノートは梓ちゃんに借りて」





そのまま手を引かれて無言で突き進んでいく和くん。梓はまだニヤニヤしながら私に手を振ってるし健太はなんだか苦虫を踏み潰した顔をしてる。




それにうるさい周りのざわめき。でも一番よくわからないのは和くんが無言のまま私の手を引っ張ってること。




「か、和くん?ど、どうしたの?っていうか待っててくれたの?」
< 20 / 69 >

この作品をシェア

pagetop