夏の桜が咲く。

水彩画にしようかな

本格的な セットを持って行った

「うわっ!重そう 大丈夫?」

神田くんが荷物を持ってくれた

「ありがと」

「本格的だねぇ」

「ちょっと頑張ろうと思って」

「マジ⁇ありがとなっ」

二カッと笑った神田くん

今日はじめて話したとは思えないくらい

心を開き始めた気がする


まず鉛筆で とりあえずの

下書きを書く

そして筆で色を重ねていく

茶色がかった髪の毛と目

薄い唇 白い肌

整った顔立ちだ。

本当に整っている

鼻も高くて

誰もが憧れる顔立ちだと思う

筆をゆっくり動かして

出来るだけ丁寧き精密に書き上げた

「よしっ…完成」

1時間ちょっとかかったと思う

「おっ!見たいみたい!」

神田くんは無言で見ている

「ごめんね、下手だよね…」

「何言ってんの⁈うますぎだよ
マジ感動…」

「本当に⁇ありがと」

背景は向日葵にした

「もし良かったら あげるよ!」

「マジ?!やった‼大切にする!」

「ありがとぉ」

はじめて人に絵を書いて

喜んでもらえた

本当に嬉しかった。

「なら今日はありがとな!
また学校でな!」




< 10 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop