イジワル王子と屋根の下



銃口を定め狙うのは、小さなクマのぬいぐるみ。

よし、まずはあの可愛いクマのぬいぐるみを…と狙いを定めた瞬間、


ーパンッ!

「あー!!」



瞬から放たれた一発が、綺麗にクマを撃ち落とした。



「何するの!狙ってたのに!!」

「いや、なんか…お前が好きそうなやつだと思って」

「余計タチ悪いよ!ていうか射的上手いな!!」

「だから嫌だって言っただろ。…チョロすぎるんだよ」

「そっちの意味!?」



そう平然と言う瞬は、本当に射的が得意だったようで…


ーパンッ

ーパンッ!

ーパンッ!!



その後も立て続けに商品を撃ち落とす。



「…まぁ、こんなもんだな」

「…うう…」

「…くそっ、何て奴だ兄ちゃん…!」



その結果、そこには山ほど景品を抱えた瞬と、敗北感でいっぱいの私、そして景品を大量に持って行かれ落ち込む出店のおじさん…という光景が広がっていた。



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