イジワル王子と屋根の下
「…あ、あの、ですね」
「?何だよ」
「今日、大家さんから電話があって…」
「あ、お前まさか俺が渡した今月の家賃振り込む前に使ったな?」
「違う!ちゃんと振り込んだし家賃の話じゃなくて!」
「?じゃあなんだよ」
「…不動産が、見つかったって」
「……」
ぼそっと呟く私に、その顔は驚いたように固まる。
「不動産って…あの悪徳不動産が?マジかよ」
「で、一応少し条件は変わるけどこの近くで家賃5万のマンションに入れる話があるんだけどどうする?って」