イジワル王子と屋根の下



「…あ、あの、ですね」

「?何だよ」

「今日、大家さんから電話があって…」

「あ、お前まさか俺が渡した今月の家賃振り込む前に使ったな?」

「違う!ちゃんと振り込んだし家賃の話じゃなくて!」

「?じゃあなんだよ」

「…不動産が、見つかったって」

「……」



ぼそっと呟く私に、その顔は驚いたように固まる。



「不動産って…あの悪徳不動産が?マジかよ」

「で、一応少し条件は変わるけどこの近くで家賃5万のマンションに入れる話があるんだけどどうする?って」



< 216 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop