イジワル王子と屋根の下
でも引っ越す先が意外とすぐそこだったりして、行きあっちゃったりとかしたら気まずいよねぇ…。
想像して苦笑いをこぼし、部屋からダイニングへと視線を向ける。
「……」
いつも通りの、この部屋。
瞬は、帰ってきたらびっくりするかな。寂しいとか、思ってくれたりするかな。それとも、清々したと笑うかな。
そんな彼の反応一つも、知ること出来ない。
喧嘩も、笑ったりも、出来ない。
(…また、考えてる)
泣かない泣かない!もう引っ越し屋さん来る時間なんだから!
そうぐっと涙を堪えて、部屋の時計を見る。