イジワル王子と屋根の下
そんな俺に、向けられたのは若い女からの視線。
「あの、彼氏さん」
「?はい?」
「余計なお世話かもしれないんですけど…あんまり心配かけないであげてくださいね」
「…?」
心配…?
「水谷さんが、『彼氏が寝ぼけて女の名前呼んでた』ってすごい落ち込んでたから」
「……」
「隠し事とかしないで、いろんなこと話してあげてください」
隠し事、
いろんなこと、
話して
「私も可愛いからついついからかっちゃうんですけどね」
そうあははと笑ってみせる顔は、からかいながらも気にかけているようで、その表情から梨沙が職場の人間と上手くいっているんだろうことが読み取れて、少し安心した。
「…はい」