イジワル王子と屋根の下
ー…ガチャ、
「…おかえり」
「……ただいま」
その夜、ドアを開け帰ってきたのは昼間より明らかに疲れた様子の彼。
「今日は遅かったね」
「残業だよ、残業。あー…何であんなに仕事ばっかあるんだよ…」
瞬はそう文句を言いながら、足元に鞄をどかっと置いてダイニングの席につき、テーブルへと突っ伏した。
「…つーかお前、あそこで働いてるなら言えよ。そしたらわざわざあの店行ったりしなかったのによー…」
「私としてはあんたのめずらしーい顔が見られて面白かったけど?亀戸さーん?」
いつもの仕返しと言わんばかりにニヤニヤと言う私に、瞬はチッと舌打ちをする。