イジワル王子と屋根の下
「外ではあんな王子様キャラなんだ?『君にもご褒美』なんて…プッ」
「…ぶん殴るぞ」
「暴力はんたーい!」
本当にやりかねないその拳に、私は逃げるようにテーブルから距離をとる。
「あれが一番何事も上手く行くしやりやすいんだよ。…疲れるけどな」
「ふーん…」
まぁ確かに、素の性格じゃ協調性とかないだろうし…。
でも性格をオンとオフで使い分けられるなんて…さすが、って感じ。
(あぁ…会社の人たちにこの本性を見せつけてやりたい…!)
そうよからぬことを考えながらおかずをテーブルに置くと、足が鞄にぶつかり倒れた鞄の中身はバサバサと床へ散らばる。