イジワル王子と屋根の下



「気持ち悪い誤解すんな。これが仕事なんだよ」

「へ?」

「『dejavu』ってブランド、知ってるか?」

「えっ…あぁ!確か有名な下着屋さんだよね?うちのデパートにも入ってる」

「ほう、世間知らずの田舎者のガキでもそれくらいは知ってるみたいだな」

「失礼な!」

「そこの会社の営業やってるんだよ」

「へ?そうなの?




言われて見ればクリアファイルの端には『dejavu営業部・亀戸瞬』と書かれた名刺が挟んである。



(あぁ、だから『女の下着くらい見慣れてる』…ね)

いつぞやのそのセリフを思い出し、それに深い意味はなかったのだと納得してしまう。



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