イジワル王子と屋根の下
「…何してんだよ、人の寝込みに」
「ひっ…ひー!!すみませんごめんなさい!!!」
どうやら瞬は気付いていたらしく、掴んだ私の手をギリギリと握る。
「おっ起きてたの!?」
「そもそも寝てねーよ。少し眠かっただけ」
「…そうでしたか…」
気まずく笑う私に、その手は力は緩めるものの腕を握ったまま。
「あ、あのさ…聞いてもいい?」
「?」
「瞬は、どうしてここに引っ越してきたの?」
「……」
問いかけた言葉に、こちらへ向けられた瞳。
それは、静かな落ち着いた色。