イジワル王子と屋根の下



「…知りたい?」

「…う、うん」

「……」



じっと見つめる意味ありげな眼差し。ところが、腕はするりと離される。



「…ただの気まぐれだっつの」

「へ?そうなの?」

「前の所が隣近所がうるさくて敵わねーから引っ越したのに…今度は家の中がうるさいとはな」

「なっ!失礼な!」

「んなことよりさっさと飯」

「はいはい!わかりましたよ!」



そしてそう相変わらずの口調で言う瞬に、私は二人分の食事をテーブルへと並べた。



(…そう、だよね)



でも気まぐれで引っ越しして悪徳不動産に騙されるなんて…彼も運がないなぁ。


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