「約束」涙の君を【完】
「昔……?昔から?」
祥太は自分の髪をくしゃくしゃっとした。
「うん。まぁ……」
「いつ?」
「教えねぇ」
え。
「もう!教えねぇは、なし!」
「いいだろ、いつからでも」
「よくないよ……知りたい。
昔からって、小6の夏?」
祥太の膝に手を乗せて、顔を覗き込むと、
祥太と間近で目が合って、
今、ベッドの上だった……って、急に意識してしまって、
膝から手を離した。
その時、
「あっ……」
祥太が、私の肩を押して、
ベッドに押し倒した。
顔の両脇に手をついて、上から見つめられて、
その表情は、真剣で……
「優衣は……いつから?」
ちょっと怒っているのかなって思うぐらい、
真剣で……
「私は……小6の夏休みだよ。
帰りたくないって思った時。
祥太は、私の初恋なんだよ」
祥太が私のネックレスを触ったから、
首が少しくすぐったかった。
「俺はそれよりも、
前だよ」