「約束」涙の君を【完】
放課後になり、3人でバスに乗った。
そして駅まで行くと、
そこからまた、隣の市のショッピングセンター直通のバスに乗り込んだ。
「クリスマスは、もちろん祥太とデートするんでしょ?」
バスの中で、杏が聞いてきた。
「うん。杏とあおいは?」
「私はもちろんデート。あおいは?」
杏はあれからもずっと彼氏と続いている。
どうやら最長記録更新中らしい。
「うん。私は……」
あおいは、顔を赤くした。
「と、泊まることになってんだ。
賢人の家に……」
バスの手すりに掴まりながら、
3人の真ん中にいたあおいを、杏と挟んでぐいぐい押した。
「ちょっ、ちょっと押すなって」
「いいねいいね!いい感じじゃん!」
「……でもちょっと緊張する、うん」
「大丈夫だって、あっという間だって。
優衣もそのうちそういう時がくるから、覚悟しといた方がいいよ~って、
祥太はしないか……」
「あ……いや……」
一気に顔が熱くなった。
「ええええ!!!」
「ええええ!!!」
二人してバスの中で大きな声を出したから、
数人乗っていた乗客から睨まれてしまった。