「約束」涙の君を【完】
夕方、おばあちゃんが会計を済ませてくれて、
駐車場に向かうと、先に出ていたおじいちゃんが車で待っていてくれた。
「夜遅くに連絡があってな、
電車もないし、急げって車で飛んできたんだ。
6時間ぐらいで着いたんだ、車でもまぁ思ったよりも早いな」
おじいちゃん、ごめんね……
そう謝ろうとしても、やっぱり息しかでない。
「あぁ、気にすんな。
優衣が寝ている間、じいちゃんも寝ていたから大丈夫だ。
優衣は、今はなんにも考えんな」
おじいちゃんはそう言いながら、後ろのドアを開けてくれた。
「じゃあ、行くかね。じいちゃん」
「おう。まかしておけって。
こう見えて、元役所の人間だ」
………役所?
不思議に思いながら、
車に乗っていると、
向かったのは、
今まで住んでいた、
戻りたくない、私の家だった。