CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
彼女の言葉を聞いて、私なら送らなくても大丈夫だと言い掛けた言葉を遮る様にしてキッパリと彼女に断った篤人は、私の手を握ったまま歩き出し、監督や顧問の先生、おしてサッカー部の生徒達に挨拶を済ませると、停車させていた車へと向かったのだった


「乗って‥‥」


車のドアを開け、車内に乗る様に言う篤人は、何だか少し不機嫌そうな感じがした

私の気のせい?

そう思ったけど、グランドを後にしてから口を開いたのは車に乗っての一言だけで、それ以外は無表情なまま黙り込んでいる

ってか、不機嫌になるのは私の方じゃない?

藤田信子さん

あの女性、明らかに私を敵視していたし、まるで早く帰れよって言うか、ハッキリ言えば私が邪魔なんだって感じの態度だった

そんな彼女と昔話をして、私を放置していた篤人にムッとするなら分かるけど、何で私じゃなくて篤人がムッとしている訳?

意味不明

理解出来ないよ~~~

えっと、私ってば何かやらかした?

思い浮かべようにも、頭には何も思い当たらない

付き合おうって言われたのって昨日の事なのに、既に不機嫌にさせてしまった私って‥‥

やっぱり、藤田信子さんの言う通り不釣り合いなのかも‥‥

そう思ったら、何だか悲しくなって私は俯いてしまったのだった

恋愛上手な優希や菜摘みたいだったら、こんな時にどうしたら良いか直ぐに分かるのかもしれない

でも、恋愛経験0に近い私には篤人の考えてる事が分からない

疾風の時だって、考えたら喧嘩なんてした事がなかった

いつも笑って、ただ今が楽しければ良いじゃんなぁ~んて思っていたから、喧嘩なんて事にはならなかった

そもそも、考えてみたら疾風が不機嫌になる事もなかったし、私が不機嫌になる事もなかった

優希や菜摘が疾風の事を色々言っていたけど、私と付き合っている時の疾風は女の影なんてなかったし、嫉妬するような場面に出くわす事もなかった

ってか、何で疾風の事なんて思い出しているんだろう‥‥

付き合った事があるのは疾風だけだかな?

別に、もう疾風の事なんて何とも思ってないなのに、つい疾風と付き合っていた時の事を思い出してしまう


「瑠璃‥‥
 俺と一緒に居たくなかった?」

「えっ?
 何、急に‥‥」


漸く冷えた車の中で、やっと口を開いた篤人の言葉に私は驚いて篤人を見たのだった


「さっき一人で帰ろうとしただろ?」

「あっ!!
 そ、それは‥‥」


真っ直ぐ私を見つめてきた篤人

そんな篤人の視線から逸らすように、私は思わず俯いてしまった



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