意地悪な彼が指輪をくれる理由
瑛士は私の履歴書と職務経歴書を読み、
「ふーん、お前本当にずっとフリーターだったんだな。ああ、これが例の脱毛サロンか。うわ、本当に調剤事務の資格取ったんだ。あー、夏に病院でコソコソやってたのはこれだったのか」
などとぶつくさ呟いた。
同級生に、しかも好きな人に履歴書を見られるのって、恥ずかしい……。
経歴だけでなく、字や写真写りなども含めて品定めされているようだ。
私は瑛士が書類を読み終わるまで、黙ってその恥辱に堪えていた。
そして、早くも結果が通達される。
「うん。残念ですが、不採用ですね」
「ええっ? まだ面接してないじゃない」
私が数日前に郵送した書類は手元に帰ってきてしまった。
履歴書、あんなに頑張って書いたのに……。
「しなくたって不採用だっつーの」
「なんでよ! ケチ! 今日は面接のために来たんだから、ちゃんとやりなさいよ」
局長である瑛士は、面倒くさそうな顔で答えた。
「うちは局内恋愛禁止の方針なの」
「なっ……そんな不採用理由が通用すると思ってんの?」
「するだろ。俺が責任者なんだし」
「ていうか私たち、別に付き合ってないし恋愛とか……」
「じゃあたった今この瞬間から、お前は俺の彼女だ」