意地悪な彼が指輪をくれる理由
「ていうかさ、私あんたと付き合うなんて一言も言ってないんだけど」
「はぁ? お前今鍵受け取ったじゃねーかよ」
「受け取った。でもそれ付き合うことと関係なくない?」
「関係あるだろ。合鍵だぞ」
「そういえば勝手に俺の彼女だって決められただけで、好きだとも言われてないし」
「何だよ。だったらやめとくか? 鍵も今なら返品可能だぞ」
「瑛士が好きだって言ってくれれば済む話でしょう?」
「やだよ今更恥ずかしい」
「……じゃあ鍵返す」
「あー! もう! わかった、わかったから!」
中学時代、彼は私のことが好きだった。
あれから12年半と少し。
大人になった彼が私を罠にかける。
「じゃあ、ちょっと耳貸して」
「うん」
罠にかかった私は、彼に囚われて……
「バーカ」
「ちょっとー!」
きっと幸せに生きていく。
fin.


