消えた清水能舞台(A探偵団5)

トンネル

○道路、日ノ岡。夜
   雨が降っている。
   ワゴン車が近づきとまる。
   山本、原田太一が忍者姿で下りてくる。

○土手、夜
   土手の堤にトラックが止まっている。
   道路からは見えていない。
   3人の後ろすがた。

○トンネル入り口、外、夜
   トラックの荷台はすっぽりとトンネルに入っている。
   奥は暗くてよく見えない。
   3人、トラックの脇からトンネル内に入る。

○トンネル内
   3人奥へそろりと歩む。
   人影が出てくる。
   3人、身を隠す。
   人影、土をトラックの荷台に放り投げるとすぐ又奥へ戻る。
   トラックの荷台に土が盛り上がっている。
   3人、更に奥へ入る。

○同、坑道
   等間隔にランタンがつるされている。
   バケツリレーのように土が奥から運び出されている。
   皆で掛け声をかけながらリズミカルに作業が続いている。
掛け声「エッサーホイサーエッサーホイサーエッサーホイサー」

○同、坑道
   3人がゆっくりと忍び歩いていても誰も気付かない。
   ゆっくりと前進する3人。
   槌を手渡す一味たち。
一味「エッサーホイサーエッサーホイサーエッサーホイサー」

○同、坑道
   奥に行くほど広くなっている。
   下り坂である。

○同、突き当たり
   突き当たりに大きな岩盤がある。
   一味の何人かがドリルで岩盤に穴を開けている。
   何人かが上下左右を彫り広げている。
一味「エッサーホイサーエッサーホイサーエッサーホイサー」

○同、岩陰
   かなり広い空洞。
   3人の姿が岩陰に見える。
山本「わかった」
   原だと太一、山本を見つめる。
山本「わかったぞ!皆、大急ぎで退却」
   皆、大急ぎで退却する。

○ワゴンの中、夜
   忍者姿の3人がいる。
   ワゴン、雨の中を走る。
原田「で、何が分かったんだ?」

山本「よく聞けよ。まちがいない。一味は疎水が
 浄水場と分かれる手前からトンネルを掘って、
 流れを一気に清水方面へ向ける」

原田「なるほど」
   太一、目を輝かせ聞き入っている。

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