もっと傷つけばいい
訳がわからないあたしに気づいていないと言うように、
「ビール」

「はい、かしこまりました」

ソウと言う男は店員に注文をしていた。

「――あの…」

声をかけたあたしに、
「困ってたんだろ?」

ソウは言った。

困ってた…と言えば困ってた。

「お待たせしました」

店員がビールと先ほどあたしが頼んだ飲み物を運んできた。

あたしが頼んだ飲み物は、オレンジジュースのような濃い色だった。

カクテルか何かだろうか?

「はい、乾杯」

ソウが言ったのと同時に、カチンとお互いのグラスが重なった。
< 9 / 140 >

この作品をシェア

pagetop