【完】ダンデライオン
大広間には、白いクロスがかかった長いテーブルが置いてあった。
テーブルに沿って沢山のイス。
広間の端には、小さな丸テーブル。
丸テーブルを挟んで、フカフカの一人掛けのソファが、対面するように二つ置いてある。
小さなテーブルには、小さな白い花が花瓶に活けられていた。
エルノはその小さなテーブルの方に歩いていく。
「ここに座って?」
「あ、ハイ…」
フカフカのイスに座る。
なんか、すごい沈みこんで座りにくい……。
エルノはその対面に座った。
「早速だけど…たんぽぽのお使いのこと、聞いていいかな?」
「ハイ、分かりました。」
どこから話そうか考えながら、リュックの中の本を取り出そうと漁る。
その様子をエルノはジッと見ている。
「ずっと思ってたんだけどさあ……」
「えっ、な…何ですか?」
ずっと思ってたという、突然の言葉にドキッとする。
「何で、敬語なの?」
「…え?」
ケーゴ?
言葉遣いの敬語?
「それは…あなたは王子だし、年上だし…。」
「ふーん?気にしなくていいのに。僕のことはエルノって呼んで、友達だと思って話してよ。」
「いやっ、それは…恐れ多いというかー…」