【完】ダンデライオン






隠し事はなしで……って、これから何の話をするつもりなんだろう?





「隠し事…?」





「たんぽぽは、おばあさまのお使いでこの国に来たんでしょ?」





「そ、そうだけど…」





「ってことは異世界に、住んでるってことだよね?」





エルノは何が聞きたいのか、全く分からない。




「うん。そうだけど、それが何なの…?」





「異世界に住む、たんぽぽにだけしか話せないことがあるんだけど…言っても良いかな?」






すごく深刻そうな顔をしているけど、何の話なんだろう…?





黙ってうなずくと、エルノは「ありがとう」と言ってちょっと笑った。



でもやっぱり深刻そうな顔のままだった。






「僕は、この国の王子で…国王がいない今、僕がこの国を守らないといけないんだ。ただ…今の僕はずっと、国王にはなれない。」






永遠の命があるからこそ、年をとれない。


だから、20歳になれないエルノは王位を継承できない…だったよね。







「この国の国王が持つ権力は、とても偉大でね…決定権は全て国王にあるんだ。だから…国王ではない僕はこの国を統治できない。」






ここまで聞いていて、私はふと疑問に思った。





「話の途中で悪いんだけど…20歳になれないとしても、今は国王がいないんだし、エルノが国王になれないの?」






「それは今から説明しようと思っていたところだよ。それはね、無理なんだ。」






「えぇっ!?何で!?」





「国王がいなくなったとしても、次の王様が現れない限り……国王の権力は有効。」









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