実は、彼女はご主人様でした。
眼鏡をかけ、中肉中背で髪は短髪。授業は時折教師自身の話で半分以上の時間を費やしてしまう時もあるが、進み具合に問題はなく、話も面白いと言うことで生徒たちにも人気がある教師だ。
 

その教師が桜雪に好意を持っている。


掃除用具入れの中にいる真人は、驚きながらも静観していた。



「大丈夫です、先生。ところでお話の内容は何でしょうか?」



桜雪は事務的に教師と会話している。

桜雪と教師だけが向き合う教室で、余所余所しい対応は寂しく感じたのか、教師は困った顔を浮かべ、桜雪の前に立った。



「先生?」

「美倉、もう分かっているんだろう」



教師は優しく桜雪を抱きしめる。

思わず真人は飛び出しそうになるが、桜雪の言葉が頭を過ぎり、静観を続けた。
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