実は、彼女はご主人様でした。
「この映像の中で娘は誰に縛られることなく幸せに過ごしているからね」

「………?」

「つまり、今の桜雪は私の思うままに動いてくれる、とても家族思いの娘だよ」

「は…」

「ここにはいなくても、部屋にいる。だから、今はリビングにいない。それだけでも桜雪にとっては幸せな事じゃないか。娘の幸せは親の幸せでもある」

「あの…」

「あくまでもビジョンの中、だけどね」

「………」

「おや、言いたいことがあったんじゃないかい?黙ってしまって、どうしたんだい?」



何から言葉にすればいいのか、真人には思いつかない。

この映像が流れている中、自身の負の感情をさらけ出しているのにも関わらず、堂々としている父親を目の前にして、どう対処したらいいのか分からなかった。

戸惑っている真人の前に、桜雪は静かに真人の前に移動すると、桜雪は父親に手をかざした。



「父と話すだけ時間の無駄だ。だから言っただろう、一筋縄ではいかないと…」



数分の間、父親に手をかざし、桜雪は目覚めた力を解放させる。

そうして遂に、父親は小さく笑い始めた。
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