不機嫌な果実
パッチン!

・・・なんで?

何で私が叩かれなくちゃいけないわけ?

意味、分かんない。

赤くなった頬を押さえながら、

叩いた女子を睨む。

・・・

「ちょっと顔がいいからって、

いい気になんないで」

そう言って睨み返される始末。

・・・

「アンタ達いい加減に「あ、オレンジ、貰い」

「「?!!」」

・・・

私の後ろのドアが勢いよく開いた。

それと同時に、

私が持っていたオレンジを奪い取られた。

もちろん驚いて振り返る。

・・・

他の女子は、みるみる顔が青ざめる。

・・・

「ひっでぇ顔。真っ赤じゃん」

そう言って私の頬にジュースを押しあてたのは・・・


「ツメタ!何すんのよ、凌也!」

「うっせぇ・・・声でけぇんだよ」

「・・・」

「…で?アンタたちは、コイツの事

苛めてたわけ?」
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