不機嫌な果実
初めて見る桃子のエプロン姿に、萌えてしまった。

…可愛すぎんだろ。

・・・似合いすぎてんだよ、エプロン姿が。

でもだからって、そんな事口に出して言えるわけもなく。

オレは一人で、言いたいのを必死に堪えていた。


…それから約1時間後。


「…ゴメンね、やっとできた」

そう言って桃子が皿を両手に持ってやってきた。


「…ハンバーグ」

「・・・そう。凌也好きだったよね?…ぁ。

それとも、もうキライになったとか?」

そう言って不安げな顔でオレを見つめる。


「…好きだよ」

小さい時から、ハンバーグが大好きで、

どんなに不機嫌でも、これを目の前に出されると、機嫌なんて

すぐに直る。


オレの言葉に、桃子はふうっと溜息をついて、

次々に、料理を並べていった。


「…意外だな、料理、できんだ」

ボソッと呟いた。
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