不機嫌な果実
片付けが終わり、オレは帰る事にした。

「もぅ・・・帰るの?」

「・・・・」

そう言って桃子の寂しそうな顔が、あまりにも可愛すぎて、

オレは帰る事を止めてしまおうとした・・・・が。


「卒業式までは、桃子には触れない約束したろ?」

そう桃子に言い聞かしつつ、自分を戒める。


「・・・うん、そうだよね。

今は、私と凌也は、幼なじみって言う関係だもんね。

気をつけて帰ってね」

そう言って顔一杯に笑顔を作った桃子だったが、明らかに、

無理してる事は分かってしまって、思わず・・・


「凌・・也?」

桃子は驚いている。

…無理もないよな。

でも、こうせずにはいられなかった。

桃子があんまり可愛かったから。


「ちょっと抱きしめただけだ・・・

今はこれだけで我慢してろ」


「うん・・・」
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