不機嫌な果実

ほんの数秒間の出来事。

それでも、抱き合った事が、こんなにも、

２人の愛を確かめ合えるなんて。

互いに感じる事の出来る体温に、安心して・・・。


触れ合っている体が、お互いの存在を確認して。


あぁ・・・、オレって本当に桃子の事好きだ。

そう思わずにいられなかった。


「じゃあ・・・帰るな」

「うん…凌也」

「・・・・・・」


帰ろうとしたオレは、桃子に腕を引っ張られ、

振り向きざまに、背伸びのキス。

…そんなことしたらヤバいだろ？


何とか保ってる俺の理性が。

…高校生の理性なんて、そんな些細な事で、

いとも簡単に壊れちまうんだよ。

「りょ・・・ん・・」

オレは桃子を抱き寄せ、これでもかってくらいキスをした。


それからどれくらいキスしてたのか？



「ただいま…あら、取り込み中？」

「？！？！」