「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「米山くんは介福(介護福祉士)持ってるからね。仕事も完璧だし、ここにとっては欠かせない人材なわけよ」

「私は必要じゃないってことですか?」

「おっとっと……。僕の言い方が悪かったかな? それは誤解だよ、誤解」

次長は少しだけ身を後方に仰け反らせ、肩をすぼめて両掌をこちらにかざす。誤魔化しているつもりかもしれないけど、バカにしてんの? と逆に怒り心頭。

それに、言い方が悪かったとかいう問題でもなく、誤解を招くような表現だったわけでもない。

浩平はここに必要だから、お前がGo away! と。そんな意味合い以外、何も含まれていなかった。間違いない。


「君は……病院の方が輝けるんじゃないかな?」

格好いいこと言っちゃってますけど、頭の天辺ハゲたオッサンですからね。全然グッと来ない。それどころか腸(はらわた)が煮えたぎっています。


「時期とか部署とか、詳細決まったらまた知らせるわ」

肝心要、一番聞きたい情報はまだ貰えないらしい。というか未定らしい。

取り敢えず、私をここから追い出すことだけが決定事項なんだ。こんなのって酷い、あんまりだ。


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