雨の日に、キミと一緒に創るエロ。

  「『青い風』妹が全巻持ってるから、オレも読んだ事ありますよ。 めっさ面白いっスよネ!! 絵もスゴく綺麗で上手い。 えーと・・・漫画家の名前・・・『篠崎千秋』!!」

 学生バイトくんが、閃いた!! とばかりに人差し指を突き上げた。

 自分の名前を知っていてくれた事が、素直に嬉しかった。

 でも、

 「ワタシは絵を描いただけで、面白い話の内容は原作の林先生が考えたものだから・・・。 ワタシの考える話はつまないらしくてさ・・・。 だから今回も原作有りきのエロ漫画を描く事になったんだ・・・」

 ワタシはこのエロ漫画に全力を注いで、自分のやりたい事に繋げる事など出来るのだろうか。

 だって、ワタシの考える話はいつもつまらない。

 「絵は上手いんだから、 後はストーリーの問題だけじゃん。 なら、ウチの店で色々面白い話盗み聴きすればいい」

 DVDを握りしめて俯くワタシに、白木氏が『オレはこっち派』と『人妻の秘めたる情事』を指差した。

 「DVDと交換条件。 篠崎先生のサインちょうだい。 妹が喜ぶから」

 学生バイトくんがノートとペンをワタシの前に置き、『オレもこっちかなー』と言いながら、彼もまた『人妻の秘めたる情事』を押した。

 アパート帰ったら、人妻の秘め事を細部まで見てやろうじゃないか。

 学生バイトくんのノートにサインを描き込んで、借りたDVDを鞄にしまった。

 何かワタシ、頑張れそうな気がする。
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