マー君(原作)
あの仮面--。

裕二は全身から吹きでる冷や汗を止めることができなかった。

何者かが被っている仮面には血のようなものがついていた。

まさか、まさか――。

裕二が固まっていると、マー君の忙しなく動いていた手がピタリと止まった。

そして、あろうことか仮面越しにくぐもった声で話しかけてきたのだ。

裕二に向けて――。

「ねぇ、裕二、裕二は私のこと好きなんだよね? 誰よりも」

その声に聞き覚えがあった。

裕二は勇気を振り絞ってようやく声を吐き出した。

その声は微かに震えていた。

「梨華? お、お前なのか?」

「そうだよ」

マー君の恰好をした梨華は、パソコンに向き合ったまま力なく答えた。

「私だよ、梨華だよ」

梨華とわかった途端、裕二は一気に全身の力が抜ける気がした。

「な、なんだよ、お、脅かすなよ。それより、その恰好はなんだよ? ウケ狙い?」

「これは通販で買ったんだよ。でも--」

梨華が急に立ち上がった。

だが、顔はパソコン画面から離れない。

「ウケ狙いなんかじゃあないよ」

そう言うと始めて裕二の方を向いた。

その白い仮面は血のような赤い液体を不気味につけていた。
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