マー君(原作)
「でも、でも! そんなことしたら、母さんと父さんに会えなくなる。そんなの−−」

凪は溢れる涙を拭いながら、叫んだ。

「嫌だ! 一人は嫌だ! 皆がいいんだ!」

「凪・・・・・・」

父親は情けなさそうに頭を垂らした。

「父さんと母さんがお前と向き合うことから逃げ、自分勝手に考え、お前から逃げるため、ネットになんか逃げたから。こんなことに−−」

両手を握り、まるで誰かに祈るように凪に謝った。

「父さんは馬鹿だよ。今になって気付いたよ。大事なのはネットなんかじゃあない。お前なんだと。お前だけ見ていれば、こんなことに。

本当に――すまない」

泣きながら、謝る。何度も。

「すまない、すまない、すまない・・・・・・」

顔を上げ、ぐしょぐしょに濡れた顔を拭う。

「だけど、お願いだ。信じてくれ。信じて、父さんを縛ってくれ。信じてくれ」

その言葉に凪は何も言えなかった。泣いている父親に何もいえなかった。だから、言われた通り父親を縛った。信じるために、何度も何度も。

「もっと強くだ、もっと!」

父親に言われながらも縛る。何度も何度。泣きながら−−。
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