マー君(原作)
<24>
「凪、君言ったよね?」
マー君が消えてからしばらくして、雨が凪の両親を見つめながら口を開いた。凪は椅子に座り、光也は凪の両親の縄を解けないように縛り直している。凪は両親が縛られる様子を見て、父親の言葉を思い出した。
もっと強くだ! もっと強く−−。
あれは僕のことを言っていたのかもしれない。
強く、強くなれと。
凪の隣に立つ雨が、静かに凪の両親に近づく。
「私達がマー君に勝てないって、言ったよね。でもね」
顎で光也に脇にどけるように指示し、凪に背中を向けたまま続けた。
「私気付いたんだ。勝ちって何か? 勝ってどうするんだって」
「え?」
凪は雨が何を言いたいのかわからなかった。ただ雨の背中がさっきより大きく見えた。
「マー君に勝つ。それが私達黒の仮面の役目だと思ってた。さっきまでは−−。でも違うんだ」
雨が凪を振り向き、満面の笑みを見せた。
「凪に教えて貰ったんだよ」
「僕が?」
「そう。私は勝ちにこだわり過ぎてた。でも凪を助けられた時・・・・・・嬉しかった。大切な物を失わなくて、ほっとした」
「大切な物−−」
凪は雨の笑顔が目から離れなかった。なぜか胸が熱くなる気がした。
「凪、君言ったよね?」
マー君が消えてからしばらくして、雨が凪の両親を見つめながら口を開いた。凪は椅子に座り、光也は凪の両親の縄を解けないように縛り直している。凪は両親が縛られる様子を見て、父親の言葉を思い出した。
もっと強くだ! もっと強く−−。
あれは僕のことを言っていたのかもしれない。
強く、強くなれと。
凪の隣に立つ雨が、静かに凪の両親に近づく。
「私達がマー君に勝てないって、言ったよね。でもね」
顎で光也に脇にどけるように指示し、凪に背中を向けたまま続けた。
「私気付いたんだ。勝ちって何か? 勝ってどうするんだって」
「え?」
凪は雨が何を言いたいのかわからなかった。ただ雨の背中がさっきより大きく見えた。
「マー君に勝つ。それが私達黒の仮面の役目だと思ってた。さっきまでは−−。でも違うんだ」
雨が凪を振り向き、満面の笑みを見せた。
「凪に教えて貰ったんだよ」
「僕が?」
「そう。私は勝ちにこだわり過ぎてた。でも凪を助けられた時・・・・・・嬉しかった。大切な物を失わなくて、ほっとした」
「大切な物−−」
凪は雨の笑顔が目から離れなかった。なぜか胸が熱くなる気がした。