マー君(原作)
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「さっきから何か言いた気だな? まあ、貴様が何を言いたいかはわかっているがな」

吉沢はデスクに腰を下ろしたまま、煙草をふかしていた。外はだいぶ静かになったが、感染者がいないと断言できない。

そのため、こうしてここでじっと佇んでいる。

洋太は腕を組んで、呑気に煙草を味わっている吉沢を睨んでいた。ただひたすら睨んでいた。桂子に連絡をとることも忘れ--。

「なんだ? 何も言わないのか? どうして自分がここに連れてこられたのか、その本当の理由を聞かないのか? ただ睨んでいるだけで--」

「黙れ!」

洋太は嘲笑う吉沢の減らず口を遮り、睨みをきかせた。

「あんたは何を知っているんだ? 俺をここに連れてきたのは--俺があの記事を書いたからだって言ったが、本当は・・・・・・」

「ふん」

吉沢は煙草の火をデスクに押し付けながら、ぶつぶつ呟くように話しだした。洋太はじっとその話に耳を傾けた。

多少外がうるさかったが、それでも吉沢の話は自然と頭の中に入ってきた。

「本当もクソもあるか。貴様をここに連れてきた理由は、貴様がマー君に関係あるからだ。

貴様、オリジナルのマー君を見たそうだが、何も感じなかったか?」
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