マー君(原作)
「こいつらをどうにかしないとな」

赤木がそう言って立ち止まった時、警報が鳴り響いた。

『カウントダウン開始! 残り59、58、57--』

「それにもう時間が--」

黙っていた光也も不安になったのか口を開いた。確かに時間がない。それに--。

雨は最悪な結果を考えた。それが呼び寄せたのか背後から物音が聞こえてきた。振り向くと、いつの間に大勢の感染者が追ってきていた。

「人~間、人~間」

「あんたらは先に行け!」

赤木が感染者達に向かって発砲する。その途端二十以上の感染者--レベルJ、Kが迫ってきた。中には鎌を投げてくる者もいる。雨はその鎌を避け、軽く頷いて光也を連れ、走った。とにかく走った。

前に向かって。

赤木に声をかけなかったのは、振り返ることができなかったからだ。

いや、振り返らないと決めたからだ。

「光也! 走るわよ!」

「わかってるさ! それが俺達の使命だからねぇ」

そう--。

使命なんだ。

『42、41、40--』

マー君。

雫。

「私は--」

死体を乗り越えながら走った。後ろから銃声が聞こえる中。血の海を疾走した。

全てを終わらせるために。
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