マー君(原作)
私は生きるに値しない人間だ。

あの時からずっと後悔していた。間宮という人間一人の人生を壊したことを、ずっと。

だが――。

「さぁ、そろそろ死んでくださいよ、は、か、せええええええ!」

だが、鎌は振りかざされた。ジョーンは振りかざされる鎌を前に、目を閉じ、自分を呪った。過去の過ちを。

しかし――。

甲高い音と共に、それはやってきた。

バン!

その銃声の後、誰かの声が聞えてきた。ジョーンはゆっくりと目を開ける。そこには――。

黒い仮面を被った青年と、そして――。

「水月雨――黒の仮面か」

目の前に、鋭い目つきでこっちを見下す少女がいた。

そう、希望の光が。

「あんたは、最低だよ」

雨から発せられた一声はそれだった。しかし、それは当たっていた。今の自分に。

雨は倒れた感染者を越え、更に奥へと進んでいく。その際、黒い仮面を被った青年に私を見ているように言い、消えた。

ジョーンはただ、笑うしかなかった。

自分の不甲斐なさに。

「確かに、最低だな。私は」



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