マー君(原作)
春香の目の前に立ったのは、春香より背が低い少年だった。

格好からして小学低学年というところだろう。

彼は血だらけの仮面をして、服はボロボロだった。

その服の内から鼻を刺すような刺激臭が漂う。

腐敗した皮膚がずれ落ちてきている。

所々、服が破けた所から赤い肉が見える。

顔は仮面で見えなかったが、見たくもなかった。

まるで映画に出てくるゾンビのような姿だった。

ボロボロの服と剥がれ落ちた肉が絡まり合い、不気味さを漂わせている。

マー君は両手をぶらぶらさせながら、前かがみに歩き、春香に歩み寄る。

二人の距離はすぐ鼻の先だ。

「僕はね、君のように仮面を外した人間に憑りつくことで、その人間を完全にしてあげられるんだよ。あらゆるネットゲームを通じて、そういった人間を探しとりつく。

そしてその人間にとって不要と思われる人間を殺す。そうすることで理性を捨て、完全になれる。人間をやめられるのさ、ククククク」

「いや、来ないで! 来ないでよ!」

春香は腰が抜けたままでも手と足を使って近づくマー君から離れようとする。
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