マー君(原作)
四人の間には重い空気が漂い、皆黙りこんでいる。

まあこういう日もあるのだろう。

勇気はあまり気に留めず、両側に並ぶ店の間を抜け、住宅街へ向かった。

「ったく、最近面白いことねーな。また新しい犬でも探すかな?」

勇気は黒い手提げ鞄を肩に掛けながら、どことなく空を見上げた。

後からついてくる金魚の糞は黙ったままだ。

まったく退屈だ。

あの女ももうだめかもな。

眩しい夕日を目を細めながなら見つめる。

いつの間にか住宅街に入っていた四人は、いつもの十字路で別れた。

それまで誰も話さなかった。

三人と別れると、勇気は一人家路につき、だらだらと歩きながら春香と楽しんだあの日を思い出した。

が、それももう記憶から薄れ始めている。

きっと春香に飽きてきたのだろう。

そんな自分がいることに、少し呆れつつ、鼻歌を歌いながら狭い道路の真ん中を歩いていた。

< 66 / 604 >

この作品をシェア

pagetop