マー君(原作)
昭子は一瞬にして戦意を失い、恐怖に飲み込まれた。

「あ、え、ああ、何、こっれ? あ、あんた、は?」

口が上手く回らない。

気づけば、路上に座りこんでいた。あまりの衝撃に腰を抜かしてしまったのだ。

昭子はまるで石のように固まったまま動けなかった。

逃げろ、逃げろ、そう自分に言い聞かせても、体は反応しなかった。

「じ、じょうこ、お前、ごろす、ごろす、み、み、み、んな、ごろす」

口も何もないのに、それは喋った。

その度に大量の血がボトボトと垂れ落ちる。

昭子は思わず叫んだ。

声が枯れるまで。

「いっ、やああああああああああー!」

次の瞬間、春香は落ちていた仮面を昭子の顔につけた。途端、昭子は絶叫した。

顔が溶けるような激痛に襲われ、頭が真っ白になった。

熱い熱い!

痛い痛い!

「ギッヤアアアアアアアアアー!」

獣のように叫び、仮面をとろうともがいた。

何度も何度も取ろうともがいた。

が、仮面は取れなかった。

顔が蒸発しているかのように、熱かった。

そして、何も見えなくなった。

目の前が真っ暗になった。

何も聞えなくなった。

顔から大量の血を流して――。
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