マー君(原作)
前方に道が見えてきた。

そこからは大通りになっており、車が忙しなく走っている。

あそこまで行けば……。

「もしもし?」

ようやく電話が繋がった。

早紀は早口で今あったことを伝えながら、後方を確認した。

まだ追ってきていないようだ。

「ど、どうした、早紀?」

早紀の声に異変を感じたのか、勇気が心配そうに聞いてくる。

その声に早紀はとにかく喋った。

もはや何か喋っていないと、頭がおかしくなりそうだった。

「聞いて! あの、化け物が、春香が、春香が!」

「春香がどうしたんだ?」

そこまで言った時、早紀は見た。

あれを。

はるか後方から仮面をつけた春香が追ってきた。

凄いスピードで。

手には鎌らしき物を持っている。

そのスピードは人間とは思えず、どんどん早紀との距離を詰めていく。

早紀は一気に混乱に陥り、携帯を捨てて泣き叫びながら車が走る大通りに向かって走った。必死に。

しかし、春香はどんどん近づいてくる。

車より早く――。

< 73 / 604 >

この作品をシェア

pagetop