マー君(原作)
「いやっ、た、助けて、助けて・・・・・・」

早紀は目の前に見えてきた大通りに手を伸ばしながら、よろけた足で走った。

とにかく走った。

もう後など見ていられなかった。

見たら、そこで全てが終わってしまいそうだった。

「たっす、けて」

あと少し、あと少しで大通りに出る。

あと―― 。

「ねぇ、ざぎ、ごっぢをむいで」

耳元に春香の不気味な声が聞えた。

その瞬間、早紀は目をかっと開いた。

と、同時に背中を何かが貫いた。

ドス。

鈍い音が響き、早紀は崩れ落ちた。

目の前に見える大通りを見たまま。

「だ、ず、け――」

最後まで言う前に頭に鈍い痛みが走った。

顔に何かが垂れる。

開けたままの瞳が赤く染まる。

その向こうにはせわしくなく走る車が見えた。
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