Ending Note
「お前は何をやってたんだ!!」
耳をつんざくような怒鳴り声が聞こえたかと思えば、今度はほっぺたに強い痛みがはしった。
薬品臭い病室。
さめざめと泣いている親戚。
……ベッドの上で、生きることを止めてしまったママ。
そして目の前には、怒りと興奮で鬼の形相をしているパパ。
誰かが死ぬと人間って我を失うんだな、と、あたしはベッドに横たわるママの姿をぼんやりと眺めながらそう思った。
いつもは温厚なパパ。
あたしや虎太郎が反抗期の時でさえ、怒鳴ることはもちろん手を上げることだってしなかった。
ママが怒る役、パパがなだめる役。
そうやって自然と役割分担ができていた。