キミと生きた時間【完】
「頭がいいんじゃなくて、いつの間にか暗記してただけ」
「暗記?どうして?」
「一日を秒数とか分数にしたらどのくらいか気になったから」
「そ、そんなこと考えたことないなぁ……」
「普通はそうだろうな」
「だけど、どうして気になったの?」
「何となく自分があとどれくらい生きられるのか気になったから」
「宇宙君が80歳まで生きるとしたら、ものすごい数になっちゃうね」
「だな。つーか、何で80なんだよ」
「男の人の日本人の平均寿命って79歳だってこの前テレビで見て知ってたの。これ豆知識ね!」
「ああ、そういうことか」
もしかしたら、宇宙君も知っていたのかもしれない。
だけど少し得意げになってこたえるあたしに、宇宙君はふっとわずかな笑みを浮かべるだけだった。
「1日の時間の長さってみんな平等だろ。長くもないし、短くもない」
「うん。確かにそうだね」
「人間は誰だって遅かれ早かれいつかは死ぬし、時間には限りがある」
「うん」
「里桜が学校にいる時間って、7時間くらいだろ?」
「大体そのくらいかな」
「だとしたら、残りの17時間は学校から解放される。嫌な時間にも限りがあるってことだ」
「そうだね」
「もしその残り時間で、暇ができたらここに来れば?俺、大体ここにいるから」
『別に誘ってるわけじゃないからな』
最後にこう付け足した宇宙君。
何でだろう。
宇宙君の言葉が温かく胸に広がる。