キミと生きた時間【完】

「……――宇宙君があたしを突き放そうとした理由って……病気が関係してるの?」


宇宙君はふっとわずかな笑みを漏らした。


「つーか、もう名前知ってるんだし、宇宙君って呼ぶのやめろって」


「じゃあ、なんて呼んだらいいの……?」


「さっき呼んでただろ。宇宙(そら)って」


「そ……ら」


「そう。それでいい。宇宙君っていう呼び方、すっげぇ気持ち悪かったし」


「……――最初から……教えてくれればよかったのに」


明るい口調で話す宇宙に胸が熱くなる。


きっと、宇宙は無理をしてる。


目頭が熱くなりギュッと唇を噛む。



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