キミと生きた時間【完】
「……そんなの嫌だよ。勝手に決めるなんてズルい」
「そんなこと言うなって」
「宇宙はあたしのことが嫌い?一緒にいると楽しくない?」
「嫌いだったら毎日一緒にいたりしない。楽しくなかったらとっくに会わなくなってる」
「だったら……――」
「だから、一緒にいられないんだって」
宇宙は力なく笑うと、あたしの頭から手を離した。
「もうすぐ、手術なんだけどさ、成功する確率ほとんど0に等しいって言われてる」
伏し目がちな宇宙の顔がよく見えない。
「もう何回も手術受けてきたけど、今回はマジでダメっぽい。自分でもよくわかる」
低い声がわずかにかすれている。