キミと生きた時間【完】

「俺はもし手術が失敗しても、里桜との楽しい思い出を持ったまま死ねる。だけど、里桜は違うだろ?」


「……――何それ」


こらえきれずに、ボロボロと涙を流す。


膝に置いていた手の甲に涙が落ちる。


「あたしだって、宇宙とずっと一緒にいたいよ。離れたくないよ。例え、時間に限りがあったとしても、あたしは宇宙から離れて行ったりしない」


「里桜……」


「楽しい思い出が多ければ多いほど、悲しみも増えるって言ってたけど……多分、それだけじゃないよ。その人との楽しい思い出は、生きる力になる。強さに変わるんだよ」


もし、このまま宇宙とバイバイしてしまったらあたしはきっと後悔する。


この先何があったとしても、あたしは宇宙と一緒にいる。


一緒にいたい。


一分でも、一秒でも多く……宇宙と一緒の時を刻む。


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